効率よく脂肪をエネルギーに変える「リパーゼ」と「グルカゴン」
脂肪燃焼に大事な酵素「リパーゼ」とホルモン「グルカゴン」
脂肪燃焼のメカニズムを簡単に説明すると、ホルモンにより活性化された酵素が体内に蓄積した中性脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解・血中に放出、脂肪酸は遊離脂肪酸としてアルブミン(タンパク質の一種)と結合し、血液を通じて全身に運ばれ細胞内のミトコンドリアに取り込まれることでエネルギー利用されます。そのため、体内に蓄積した脂肪を燃焼させるためには、酵素を活性化させるホルモン「グルカゴン」と脂肪分解酵素の「リパーゼ」が大事になってくるというわけです。
リパーゼとは
リパーゼは消化液に含まれているほとんどの生物の脂肪代謝に関わる酵素群のことですが、この酵素群は大別すると2種類に分けることができ、血中の中性脂肪を分解して組織へと取り込ませるリボタンパク質リパーゼ(脂肪細胞外に存在)と、中性脂肪を分解し血液中へと放出させるホルモン感受性リパーゼ(脂肪細胞内に存在)と呼ばれるリパーゼが存在します。
脂肪燃焼に必要なのはホルモン感受性リパーゼであり、蓄えられた脂肪を脂肪細胞から抜き出して分解・消化するためにはこの酵素の働きを活性化させることが必要不可欠ですが、ホルモン感受性リパーゼはグルカゴン・成長ホルモン・アドレナリン・コルチゾールなどのインスリン拮抗ホルモン(血糖値を一定に保つ)からの指令がスイッチとなって活性化されるため、グルカゴン等のホルモン分泌の促進がリパーゼの活性化にもつながり効率よく脂肪を燃焼させるカギとなるわけです。
ただ、ホルモン感受性リパーゼは血糖値を下げる役割を持つホルモン「インスリン」の働きによってその活性が左右されます。インスリンが分泌されると糖が中性脂肪として脂肪細胞に蓄積しようとするため、反対にホルモン感受性リパーゼの働きが抑制されてしまうという関係性があります。そのため、インスリンの過剰分泌を防ぎ低血糖状態を作り出す糖質制限がダイエットに有効だと考えられているのです。
グルカゴンとは
グルカゴンは膵臓内の細胞群に存在するα細胞によって合成・分泌されるインスリン拮抗ホルモンの一つです。摂取した糖の余剰分は肝臓でグリコーゲンとして貯蔵されますが、グルカゴンには肝細胞に存在する受容体と結合してグリコーゲンの分解を促進し血糖値を上昇させる働きがあるため、インスリンと共に血糖値が一定に保つ上で欠かせないホルモンであり、2型糖尿病患者には食後の血漿グルカゴン濃度が異常に高まる傾向が見られます。
また、グルカゴンはいくつかの体内酵素の活性化を介して脂肪細胞を分解するホルモン感受性リパーゼを活性化させるため「痩せホルモン」とも呼ばれています。このホルモンはインスリンと共に肝臓内の細胞群から分泌され門脈を通じて肝臓へと運ばれ、肝臓を経由して全身の細胞へと運ばれていきますが、実はどの部位の脂肪細胞にグルカゴンが取り込まれるかは遺伝的要素が影響するため、人によって脂肪燃焼の促進の働きが優先される部位が異なってくるのです。
カギは「空腹時と有酸素運動」
脂肪燃焼は膵臓から分泌されるグルカゴン等のインスリン拮抗ホルモンの指令によりホルモン感受性リパーゼが活性化することで行われるので、効率よく脂肪をエネルギーへと変換するためにグルカゴンの分泌を促すことが必要になりますが、その分泌を促進するタイミングが空腹時です。
空腹時は食後インスリンによって下げられた血糖値を上昇させるためグルカゴンの分泌が盛んになるタイミングなので脂肪燃焼を高めるのに最適なタイミングとなります。また、リパーゼを活性化させるためには通常20分以上の有酸素運動が必要ですが、グルカゴンによってリパーゼが活性化されている空腹時は既に脂肪酸が血中に放出されていて脂肪燃焼の働きが高まるタイミングなので、空腹時の有酸素運動は食後2時間以内の運動よりもダイエットに効果的というわけです。
ただ、空腹時の高負荷トレーニングや糖質制限でインスリン分泌を極端に抑制するなどして低血糖状態が進むとグルカゴンの働きが弱まるため、極端な糖質制限や激しいトレーニングは避け、低インスリン状態を保つ程度の食事制限にしたり、運動はウォーキング等の軽い有酸素運動にするよう注意が必要です。
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